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楊式太極拳

中国には多くの太極拳の流派があります。そうした流派を○○式太極拳、○○家太極拳、○○氏太極拳などと呼称することがあります。

日本にもたくさんの流派が紹介され、学習されていますが、五大太極拳と言われているものが下記の流派です。

  • 陳式太極拳 : 河南省温県の陳家溝で、陳氏一族によって伝承され、太極拳の源流とも言われています。
  • 楊式太極拳 : 陳家溝で陳長興より陳式太極拳を学んだ楊露禅(1799 - 1871)によって創始。
  • 呉式太極拳 : 満州族の全祐(ぜんゆう 1834 - 1902)とその子、呉鑑泉(ごかんせん 1870 - 1942)が創始。
  • 孫式太極拳 : 形意拳、八卦掌の名手として有名な孫禄堂(そんろくどう 1861 - 1932)が創始。
  • 武式太極拳 : 清末の河北永年の人・武禹襄(ぶうじょう 1812 - 1880)が創始。

私たちが練習している太極拳は、『楊家老様子(楊家の昔のままの技法)』

私たちが練習している太極拳は、そのうちの楊家太極拳(伝統楊式太極拳 - 85勢)です。楊家太極拳宗家の外戚にあたる近代の名人・傅鍾文(フージョンウェン Fu Zhong Wen 1903 - 1994)老師が、姜氏門2代鄒淑嫻(ゾウスゥシェン Zou Shu Xian)師に教授したもので、上海では『楊家老様子(ヤンヂャーラオヤンヅ=楊家の昔のままの技法)』と呼ばれている、素朴で古流の趣を伝える太極拳です。

楊家太極拳の開祖は楊露禅(Yang lu chan 1799 - 1871)老師、2代伝承者はその子息、楊健侯(Yang Jian Hou 1843 - 1917)老師、そして3代伝承者は楊露禅老師の孫、楊澄甫(Yang Cheng fu 1883 - 1937)老師です。楊澄甫老師の兄弟の孫娘婿、傅鍾文(Fu Zhong Wen)老師は楊家十大弟子の一人として名を知られた楊家太極拳の伝人でした。

伝承に当たっては、そのころすでに武術家として盛名を得ていた鄒師は、師父・姜容樵(Jiang Rong Qiao)公の推薦を得て、武術家としては知る人ぞ知る存在であった当時50才代の傅鍾文老師に師事し、楊家に伝わる拳・刀・剣・大杆を習得しています。その返礼に鄒師は傅老師の実兄に『梅花双剣』を伝えたということです。

初学の数年間は、武術家同士ということもあり、警戒された傅老師は、容易にその技術の秘密を明かさなかったといいます。しかし鄒師の熱意と誠実さに、次第にその存在を重く見なした傅老師は、最終的に鄒師を非常に信頼し、自らの技芸の精要を余さず与えたということです。
後に、虹口体育場で行われた体育委員会主催の、推手講習会等には顧留馨老師とともに師範として重用されたということです。 また後に鄒師は、田兆麟老師より古式の推手技法を、姜容樵公に湯子林伝太極長拳を学び、自らの太極拳に磨きを掛けました。

筆者が学んだときは、最初の一年間は第一段(最初の十字手までの14式)の練習に費やしました。特に予備式~起勢・攬雀尾は、いやと言うほどやらされました。
鄒師曰く『第一段は太極拳の母架子』であり、『太極起勢は第一段・第二段・第三段の根本』だと常々言われていました。また、門内で行われている、各方向からの力のベクトルをアースする練習法など、基本とは言えども、大変緻密で奥の深いものを体験することが出来ました。一段がそれらしい形にならないうちに二段は絶対に教えてもらえませんでした。(先輩がやっているのにくっついてやる分はオーケーでした。)足掛け4年を経て、85式を習得したのですが、『それでも早すぎるくらい』と言われたときには愕然としました。とにかく、基本こそが重要なのだと思い知らされた数年間でした。

当研究会では、そういった師伝に敬意を表し、伝統的な教学法を出来るだけ忠実にトレースした、丁寧な練習会を心がけてゆきたいと思っています。 推手や武器についてはまた章を立てて紹介したいと思います。



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